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論文

Cavitation damage prediction in mercury target for pulsed spallation neutron source using Monte Carlo simulation

涌井 隆; 高岸 洋一*; 二川 正敏

Materials, 16(17), p.5830_1 - 5830_16, 2023/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Physical)

水銀ターゲット容器は、陽子ビームの入射に伴い、キャビテーション損傷を受けるため、キャビテーションバブルの位置や衝撃圧力分布の不確実さを考慮して、モンテカルロ・シミュレーションを用いたキャビテーション損傷を予測する手法を提案した。本手法では、個々のキャビテーション気泡の崩壊に起因する衝撃圧力の分布はガウス分布とし、衝撃圧力の最大値の確率密度分布は3種類の分布: デルタ関数、ガウス分布、ワイブル分布と仮定した。衝撃圧力の分布を記述する方程式の2つのパラメータについて、実験から得られたキャビテーション損傷の分布とシミュレーションから得られた累積塑性ひずみの分布を比較し、ベイズ最適化を使用して推定することができた。また、ワイブル分布を用いて得られた結果が、他の結果に比べて、実際のキャビテーションエロージョン現象を再現することが分かった。

論文

Characterization of liquid targets in Vacuum condition

山本 風海; 荻原 徳男*; 倉持 勝也*

e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 21(4), p.359 - 364, 2023/07

イオン加速器では、ビームの加速効率の向上、ビーム電流の蓄積等を目的に、イオンの価数を変換する手法(荷電変換手法)が良く用いられる。荷電変換はイオンビームと薄膜等の物質との相互作用で行うが、加速器の大強度化に伴い、ビーム負荷に耐えるターゲットの開発が必要となっている。真空中で破損しない薄膜として、エタノールおよび水銀の流体を検討した。これら二種の液体を真空中で流し、安定に膜を形成することを確認した。成膜中の圧力は、各液体の蒸気圧に近い値となった。エタノールに関しては、さらに良い圧力を得るために、低温下での蒸気圧の評価を行った。水銀に関しては、水銀蒸気を拡散させないトラップを開発し、98%以上の捕集効率を得られることを確認した。

論文

モンテカルロ・シミュレーションによる核破砕パルス中性子源水銀標的容器におけるキャビテーション損傷予測

涌井 隆; 高岸 洋一*; 二川 正敏; 田邉 誠*

実験力学, 23(2), p.168 - 174, 2023/06

核破砕中性子源の水銀ターゲット容器において、陽子ビームが水銀に入射することにより、容器内面にキャビテーション損傷が生じる。気泡核の位置や衝撃圧力分布のばらつきを考慮して、モンテカルロ・シミュレーションを用いたキャビテーション損傷の予測方法を提案した。実験より得られたキャビテーション損傷の分布とシミュレーションより得られた積算ひずみの分布を比較し、ベイズ最適化を用いた逆解析により、衝撃圧力の分布を評価した。ガウス分布を仮定した最大衝撃圧力の平均値及び広がりはそれぞれ3.1GPa及び1.2$$mu$$mであった。シミュレーション結果は実験結果を再現しており、本評価手法が有効であると言える。

論文

Development of a miniature electromagnet probe for the measurement of local velocity in heavy liquid metals

有吉 玄; 大林 寛生; 佐々 敏信

Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1071 - 1088, 2022/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:31.61(Nuclear Science & Technology)

液体重金属中の局所流速計測において、電磁誘導を用いた計測手法は効果的手法の一つである。永久磁石を利用した流速計として、Ricou and Vives' probeやVon Weissenfluh's probeが広く知られているが、これらの流速計は液温上昇に伴う永久磁石の熱減磁により、流速感度および計測体積が低下することが問題点として挙げられる。特に、永久磁石のキュリー温度を超える温度域では流速検出不能となる。そこで本研究では、流速計が持つ温度依存性の解消を目的とし、小型電磁石を内蔵する流速計を開発した。開発された流速計の直径は6mm、長さは155mmである。流速計の基本性能は、室温環境下における矩形管内水銀流れの局所流速分布計測を通して確認され、流速感度および計測体積が評価された。計測された局所流速分布は数値計算によりその妥当性が確認された。

報告書

水銀ターゲット容器内壁のキャビテーション損傷観察に関する技術資料,1; 遠隔操作対応試験片切出し装置の開発

直江 崇; 木下 秀孝; 涌井 隆; 粉川 広行; 羽賀 勝洋

JAEA-Technology 2022-018, 43 Pages, 2022/08

JAEA-Technology-2022-018.pdf:7.84MB

大強度陽子加速器研究施設(Japan Proton Accelerator Research Complex, J-PARC)の物質・生命科学実験施設に設置されている核破砕パルス中性子源水銀ターゲットでは、高エネルギー陽子線入射時に水銀中に発生する圧力波が引き起こすキャビテーションによって、ステンレス鋼製のターゲット容器内壁に激しい壊食損傷が生じる。陽子線強度の増加と共に攻撃性が高くなるキャビテーションが引き起こす壊食損傷によって、熱応力を低減するために厚さ3mmで設計されたターゲット容器先端部では、長時間の運転により壊食痕からの水銀漏洩や、壊食痕を起点とした疲労破壊などが生じる懸念がある。これまでに、高出力での長期的な安定運転を実現するために、キャビテーションによる壊食損傷を低減するための取り組みとして、容器内壁への表面改質の適用や、水銀中への微小気泡注入によりキャビテーションの発生源である圧力波の抑制、先端部の2重壁構造化を進めてきた。損傷低減化技術の効果を確認するために容器内壁に形成された損傷を観察する必要があるが、中性子源の運転中に内部を観察することは不可能であるため、運転を終えたターゲット容器の先端部から試験片を切出し、内壁の観察を実施している。ターゲット容器の破損による水銀の漏洩を防ぎつつ、運転出力によって変化する適切な容器の交換時期を検討するためには、運転出力と損傷の関係を明らかにすることが必要である。これまでに、高放射線環境で遠隔操作可能な試験片切出し装置を開発し、実機水銀ターゲット容器からの切出しを通じて、遠隔操作性や、より確実に試験片を切出すための切削条件の検討や切出し手法の改良を重ねてきた。本報では、実機ターゲットでの作業経験、及びモックアップ試験の結果に基づいて改良した遠隔操作による水銀ターゲット容器先端部からの試験片切出し手法に加えて、これまでに実機から試験片を切出した結果の概要についてまとめる。

論文

Development of the high-power spallation neutron target of J-PARC

羽賀 勝洋; 粉川 広行; 直江 崇; 涌井 隆; 若井 栄一; 二川 正敏

Proceedings of 19th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-19) (Internet), 13 Pages, 2022/03

J-PARCではMWクラスの核破砕中性子源を実現するために水銀ターゲットの流路構造としてクロスフロー型ターゲットを開発し、流路構造の改良を継続してきた。高出力の短パルス陽子ビームが水銀ターゲットに入射すると、急激な水銀の発熱と体積膨張により最大40MPaにも達する圧力波が誘起され、ターゲット容器にキャビテーション損傷を生じさせる。このため、水銀流路にマイクロバブル生成器を配置し、バブルの収縮により水銀の体積膨張をクッションのように吸収することで圧力波を低減する技術や、陽子ビームが入射する容器壁に内壁を設けて、狭隘流路に形成される速い水銀流れの大きな速度勾配を利用してキャビテーション損傷を低減する技術などを水銀ターゲット容器の流路構造に導入した。これらの技術開発により、2020年には36.5時間の1MW連続運転を成功させ、2021年4月から最大740kWの高出力で長期の安定な利用運転を達成した。本報告は、主に水銀ターゲット容器の熱流動設計に関して1MW運転を実現するまでの技術開発をまとめたものである。

報告書

J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)及び関連設備の現状と高度化戦略

勅使河原 誠; 中村 充孝; 金正 倫計; 曽山 和彦

JAEA-Technology 2021-022, 208 Pages, 2022/02

JAEA-Technology-2021-022.pdf:14.28MB

J-PARCの定格出力1MWの物質・生命科学実験施設において、今後の具体的かつ現実的な高度化戦略を展開するため、線源性能に大きく影響する加速器技術(リニアックおよびRCS)、線源技術、中性子・ミュオン輸送技術、検出技術、そしてそれらが結実する中性子・ミュオン ビーム利用装置等の現状(所期設計値に対する到達度)について整理した。さらに、現状分析に基づき出力増強に向けた改良点等について報告する。

論文

Behavior of tritium release from a stainless vessel of the mercury target as a spallation neutron source

春日井 好己; 佐藤 浩一; 高橋 一智*; 宮本 幸博; 甲斐 哲也; 原田 正英; 羽賀 勝洋; 高田 弘

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011144_1 - 011144_6, 2021/03

J-PARCの物質・生命科学実験施設では、2008年より水銀を使った核破砕中性子源を運用している。水銀を内包するステンレス製の水銀標的容器は、放射線損傷等のため定期的な交換が必要である。本件では、2011年に実施した最初の標的容器交換にともなう一連の作業で観測された標的容器等からのトリチウムの放出挙動とその解析結果について報告する。

論文

Unified mercury radioactivity monitoring system at J-PARC and its operation experiences

原田 正英; 関島 光昭*; 森川 宣之*; 増田 志歩; 木下 秀孝; 酒井 健二; 甲斐 哲也; 春日井 好己; 武藤 儀一*; 鈴木 彰夫*; et al.

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011099_1 - 011099_6, 2021/03

J-PARC MLFでは、ゲルマニウム半導体検出器(Ge検出器)を用いた$$gamma$$線エネルギー解析により、系から漏洩した放射性物質を観測することで、水銀標的及び水銀循環系の故障の兆候を見つけ出すための統合水銀放射能モニター(UHAM)を設置しており、3つのサンプリングポートと放射線モニターとの組み合わせにより構成されている。(1)HAM(水銀容器と冷却水容器のヘリウムガス層を監視する)、(2)CAM(水銀循環系が稼働しているホットセルの空気を監視する)、(3)VAM(水銀容器が設置されているヘリウムベッセル内のヘリウムガスを監視する)。放射性物質の漏洩が検知されると、即座に警報が発報し、加速器制御系へ運転停止信号が送られる。ソフトウェアとハードウェアは、毎年適宜更新されている。例えば、HAMを二重化するための2台のGe検出器の設置、各系統に高計数率時のGe検出器への補償として、NaIシンチレーション検出器の設置を行っている。2015年4月の水銀容器の冷却水の漏洩時には、UHAMは活躍した。すなわち、VAMが、ヘリウムベッセル内の計数率の異常上昇を検知した。その後、測定された放射性物質の情報から、水銀の漏洩ではなく冷却水の漏洩であることを明らかにした。

論文

Effect of gas microbubble injection and narrow channel structure on cavitation damage in mercury target vessel

直江 崇; 木下 秀孝; 粉川 広行; 涌井 隆; 若井 栄一; 羽賀 勝洋; 高田 弘

Materials Science Forum, 1024, p.111 - 120, 2021/03

J-PARCの核破砕中性子源に設置されている水銀標的容器は、水銀中に生じる陽子線励起圧力波が引き起こすキャビテーションによって損傷を受ける。キャビテーションによる壊食損傷を低減する方策として、キャビテーションを誘発する圧力波を低減するための水銀中への微小気泡注入に加えて、ビーム窓先端に狭隘流路を有する2重壁構造容器を採用した。損傷低減化策の効果を確認するために、使用後の標的容器先端部を切断し、内部に形成された損傷を観察した。その結果、積算出力1812MWh(平均強度434kW)で微小気泡を注入して運転した2重壁構造容器で観測された損傷は、積算出力1048MWh(平均強度181kW)の気泡を注入しない従来型容器で観測された損傷と同等であった。さらに、狭隘流路に接する側では、気泡が注入された水銀に接する側より著しく損傷が少ないことを確認した。

論文

New design of high power mercury target vessel of J-PARC

涌井 隆; 若井 栄一; 粉川 広行; 直江 崇; 花野 耕平*; 羽賀 勝洋; 島田 翼*; 鹿又 研一*

Materials Science Forum, 1024, p.145 - 150, 2021/03

J-PARCの大強度ビーム運転を実現するために、保護容器で覆われた水銀ターゲット容器の新規構造の開発を行ってきた。まず、500kWの安定運転の実現を目的とした第1段階では、初期構造を踏襲した構造で、水銀容器と保護容器の接続方法を改良し、約8か月の500kW利用運転を実現した。1MWの安定運転の実現を目的とした第2段階では、容器の後端のみで接続した新規構造を検討した。新規構造では、熱応力を低減するための水銀容器冷却や内圧に対する保護容器の剛性を増加するための板厚の増加を実施した。その結果、各容器に発生する応力は、日本産業規格の圧力容器規格の許容応力以下となり、1MWビーム運転が可能であることを確認した。

論文

Measurement of thick target neutron yield at 180$$^{circ}$$ for a mercury target induced by 3-GeV protons

松田 洋樹; 岩元 大樹; 明午 伸一郎; 竹下 隼人*; 前川 藤夫

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 483, p.33 - 40, 2020/11

 被引用回数:3 パーセンタイル:36.4(Instruments & Instrumentation)

大強度陽子加速器施設J-PARCにおいて、3GeV陽子入射による水銀標的から180度方向に放出される中性子のエネルギースペクトルを測定した。得られた結果は、粒子輸送計算コードPHITSによる計算結果と明らかな差異が見られ、その傾向はインジウムやニオビウムの放射化箔を用いた反応率実験の結果と一致することがわかった。鉛標的に対するGeV領域陽子入射中性子二重微分断面積の後方角におけるエネルギースペクトルの実験データとPHITSの核反応モデルを比較したところ、この差異は3GeV付近における核反応モデルによる中性子生成あるいは弾性散乱外断面積の記述に起因していることが示唆された。

報告書

幌延URLにおける低アルカリ性セメント系材料の劣化および周辺環境への影響調査

中山 雅

JAEA-Data/Code 2020-009, 98 Pages, 2020/09

JAEA-Data-Code-2020-009.pdf:6.06MB
JAEA-Data-Code-2020-009-appendix1(DVD-ROM).zip:172.11MB
JAEA-Data-Code-2020-009-appendix2-1(DVD-ROM).zip:468.85MB
JAEA-Data-Code-2020-009-appendix2-2(DVD-ROM).zip:102.94MB
JAEA-Data-Code-2020-009-appendix2-3(DVD-ROM).zip:141.88MB
JAEA-Data-Code-2020-009-appendix2-4(DVD-ROM).zip:141.6MB

幌延深地層研究センターの地下施設において、原子力機構が開発した低アルカリ性セメント(Highly Fly-ash contained Silicafume Cement: HFSC)を用いた吹付けコンクリート(深度140m, 250m, 350m調査坑道)および覆工コンクリート(東立坑深度374m$$sim$$380m)の原位置施工試験を実施した。HFSCの周辺岩盤および地下水への影響を評価するため、原位置施工試験の実施箇所から定期的にコンクリートおよび岩石のコアを採取し、各種分析を実施した。また、140m調査坑道においては、普通ポルトランドセメント(OPC)の施工区間を設け、HFSCと同様の分析を行い、OPCとHFSCの影響の違いについて比較した。本データ集は、平成21年から平成30年にかけて、各深度からのコア試料に対して実施した分析結果について取りまとめたものである。

論文

Mitigation of cavitation damage in J-PARC mercury target vessel

直江 崇; 木下 秀孝; 粉川 広行; 涌井 隆; 若井 栄一; 羽賀 勝洋; 高田 弘

JPS Conference Proceedings (Internet), 28, p.081004_1 - 081004_6, 2020/02

J-PARC核破砕中性子源の水銀ターゲット容器(SUS316L製)は、陽子線入射によって生じる水銀中の圧力波が引き起こすキャビテーションにより、ビームが入射する先端部厚さ3mmの壁が損傷する。キャビテーションによる損傷は、ビーム出力と共に増加するため、ターゲット容器の寿命を制限する因子となっている。J-PARCの目標である1MWにおける長期安定運転を実現するために、損傷低減化策として、圧力波抑制のための気泡注入に加えて、先端部に主流の4倍の流速を発生できる幅2mmの狭隘流路を有する先端部二重壁構造の容器を採用した。運転終了後に損傷低減化策の効果を確認するために、容器内壁を切り出して観察した。これまでの経験を踏まえ、確実に切出しを実施するためにコールド試験を通じて切出し条件を最適化して、2017年にターゲット2号機(損傷低減化策無し)、及び2018年に8号機(損傷低減化策有り)の切り出しを実施した。ワークショップでは、切出した試料の損傷観察結果を紹介すると共に、損傷低減化策の効果について報告する。

論文

Recent status of the pulsed spallation neutron source at J-PARC

高田 弘; 羽賀 勝洋

JPS Conference Proceedings (Internet), 28, p.081003_1 - 081003_7, 2020/02

大強度陽子加速器施設J-PARCの核破砕中性子源では、設計を見直した水銀ターゲット容器を使用して2017年10月から2018年7月までの間、500kWの陽子ビームで運転を行うとともに、1MW相当のビーム強度で1時間の運転も行った。このターゲット容器では、ビームが入射する尖頭部でのキャビテーション損傷を抑制する対策として微小気泡注入器を装備するとともに、尖頭部では流路幅2mmの狭隘流路に水銀流れを形成する形状を採用した。運転終了後の観察の結果、厚さ3mmの容器尖頭部の損傷は17.5$$mu$$mより浅い程度に抑制できたことがわかった。

論文

Pulsed pressure induced cavitation erosion in mercury narrow channel under flowing conditions

直江 崇; 粉川 広行; 田中 伸厚*; 二川 正敏

Advanced Experimental Mechanics, 4, p.17 - 21, 2019/08

水銀ターゲットにおける圧力波励起キャビテーション損傷を抑制するために、水銀中への気泡注入とビームが入射する先端部の二重壁構造化の二つの損傷低減化技術を導入している。二重壁構造では、4m/s程度の高速流れと2mm程度の狭隘流路によるキャビテーション損傷の低減効果を期待している。キャビテーション損傷に対する二重壁構造の影響を定量的に評価するために、流速と狭隘壁の間隔を系統的に変化させて水銀中でキャビテーション損傷試験を実施した。その結果、表面粗さで評価した損傷は流速の増加によって低減することを明らかにした。一方、水銀流動条件下では流路間隔の影響はほとんど見られなかった。

論文

Optimum temperature for HIP bonding invar alloy and stainless steel

涌井 隆; 石井 秀亮*; 直江 崇; 粉川 広行; 羽賀 勝洋; 若井 栄一; 高田 弘; 二川 正敏

Materials Transactions, 60(6), p.1026 - 1033, 2019/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:17.96(Materials Science, Multidisciplinary)

J-PARCの核破砕中性子源で使用する水銀ターゲット容器は、1.3$$times$$1.3$$times$$2.5m$$^{3}$$と大きいため、使用済み容器の廃棄量を低減する観点で、損傷量の大きい前半部を分割できる構造を検討している。分割部のフランジには、高いシール性能(1$$times$$10$$^{-6}$$Pa・m$$^{3}$$/s以下)が必要である。このフランジの材料として、ビーム運転時の熱変形を低減するために低熱膨張材であるインバー合金は有望であるが、弾性係数が低いためボルト締結時の変形が大きくなる。実用上はステンレス鋼で補強するが、HIP接合により広い面積を全面にわたって確実に接合する条件を見出すことが課題であった。そこで、接合温度が異なる試験片(973, 1173, 1373及び1473K)について、引張試験及び数値解析による残留応力評価を行った。973Kで接合した試験片は、拡散層厚さが殆どなく接合界面で破断した。引張強度は、接合温度の上昇とともに減少し、1473Kの場合、約10%低下した。接合面近傍の残留応力は最大50%増加した。これらの結果から、1173Kが最適な接合温度であることを結論付けた。

論文

Online chemical adsorption studies of Hg, Tl, and Pb on SiO$$_{2}$$ and Au surfaces in preparation for chemical investigations on Cn, Nh, and Fl at TASCA

Lens, L.*; Yakushev, A.*; D$"u$llmann, Ch. E.*; 浅井 雅人; Ballof, J.*; Block, M.*; David, H. M.*; Despotopulos, J.*; Di Nitto, A.*; Eberhardt, K.*; et al.

Radiochimica Acta, 106(12), p.949 - 962, 2018/12

AA2018-0417.pdf:0.99MB

 被引用回数:8 パーセンタイル:62.99(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

半減期4$$sim$$49秒の短寿命同位体を用いて、水銀(Hg), タリウム(Tl), 鉛(Pb)の単一原子レベルでのSiO$$_{2}$$及びAu表面への固体吸着挙動をオンライン気相実験により調べた。超重元素Cn, Nh, Flの吸着エンタルピー測定のためのモデル実験として実施した。短寿命同位体はドイツ重イオン研究所の反跳核分離装置TASCAを用いて生成・分離した。生成核はヘリウムガス中に捕集された後、SiO$$_{2}$$あるいはAuで表面を覆われたSi検出器で作製されたガスクロマトグラフィーカラムへと導入した。短寿命Tl及びPb同位体は室温においてSiO$$_{2}$$表面に吸着し、Si検出器で測定することに成功した。一方、HgはSiO$$_{2}$$表面には吸着せず、Au表面に吸着した。この結果より、本実験のセットアップを用いることで短寿命Hg, Tl, Pb同位体の吸着特性を調べることができると証明され、この手法がCn, Nh, Flの実験にも適用できることが確認された。

論文

Recent studies for structural integrity evaluation and defect inspection of J-PARC spallation neutron source target vessel

涌井 隆; 若井 栄一; 直江 崇; 新宅 洋平*; Li, T.*; 村上 一也*; 鹿又 研一*; 粉川 広行; 羽賀 勝洋; 高田 弘; et al.

Journal of Nuclear Materials, 506, p.3 - 11, 2018/08

 被引用回数:3 パーセンタイル:30.05(Materials Science, Multidisciplinary)

J-PARCの核破砕中性子源の水銀ターゲット容器は、水銀容器と二重壁構造を持つ保護容器からなる薄肉(最小3mm)の多重容器構造で、TIG溶接により組み立てられる複雑な構造を持つ。容器の健全性を評価するためには、溶接部等の欠陥を正確に測定することが重要である。溶接部の非破壊検査方法として、放射線透過試験では検出が難しい欠陥形状等もあるので、超音波探傷試験の併用が有効である。JISで規定されている非破壊の超音波探傷試験方法では、厚さが6mm以上のものを対象としているため、薄肉構造の本容器の検査には適用できない。そこで、より有効な検査方法を開発するため、寸法が分かっている微小な欠陥を持つ試料に対して、様々な超音波探傷法による測定を試みた。その結果、最新のフェーズドアレイ法(FMC/TFM)では、計測値(約1.3mm)と実寸法(約1.2mm)とほぼ同じであり、これまで、欠陥測定が困難であった薄肉構造においても、正確な欠陥検知が可能であることが初めて分かった。

論文

Off-gas processing system operations for mercury target vessel replacement at J-PARC

甲斐 哲也; 内田 敏嗣; 木下 秀孝; 関 正和; 大井 元貴; 涌井 隆; 羽賀 勝洋; 春日井 好己; 高田 弘

Journal of Physics; Conference Series, 1021(1), p.012042_1 - 012042_4, 2018/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.11(Nuclear Science & Technology)

At J-PARC an Off-gas processing system has been utilized to a purging process before the target vessel replacement and an air-flow control procedure to minimize radioactivity release during the replacement. In 2011 the first replacement was carried out after a 500 MWh operation, and the tritium release was measured. It was suggested that the tritium release must be less than that measured at the replacement in 2011 even at the nominal operation of 5,000 MWh. Some procedures of an air-flow control and a rubber plug insertion have been introduced from the replacements in 2013, resulting that the amount of tritium release could be reduced to less than that released in 2011 at the nominal operation.

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